ピッキングリストの作り方|無料Excelテンプレート・記入例と必要項目

ピッキングリストの作り方 梱包・包装の仕事
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倉庫やECの出荷作業で「何を、どの棚から、いくつ取り出すか」を作業者に伝えるのが、ピッキングリストです。商品名と数量だけの一覧では、似た商品や単位の違い、複数注文の混在によって確認しにくくなることがあります。

この記事では、注文別と一括集品の2種類のピッキングリストを、架空の注文データを使って説明します。無料Excelテンプレートには、指示数量と実績数量を比較する欄、注文別仕分け表、整合チェック表を用意しました。専用の倉庫管理システムがない小規模現場でも、必要項目を理解して使えるようにしています。

ピッキングリストとは? 納品書・出荷検品表との違い

ピッキングリストは、注文や出荷指示に沿って保管場所から商品を取り出すための作業指示書です。主な情報は棚番(ロケーション)、SKUや品番、商品名、指示数量、単位。注文ごとに集品する場合は注文番号、まとめて集品する場合はバッチ番号も必要になります。

書類 主な目的 主な利用者
ピッキングリスト どの棚から何を何個取り出すかを指示・記録する 集品作業者
出荷検品表 指示と集めた実物が一致するか確かめる 検品担当者
納品書 納品物の内容を取引先・受取人に知らせる 納品先・出荷担当者
梱包仕様書 商品ごとの包装方法や資材・荷姿の条件を定める 梱包担当者

ピッキングリストに価格や顧客住所まで載せる必要は、通常ありません。必要のない個人情報を載せず、取り間違いを防ぐための情報を見やすく配置します。なお、ロット管理・期限管理が必要な商品では、ロットや期限の欄を追加してください。

無料Excelテンプレートをダウンロード

収録シートは「使い方」「注文別リスト」「一括集品」「注文別仕分け」「整合チェック」の5つです。入力見本はすべて架空データです。正式運用時はコピーを作成し、架空の商品名・注文番号を削除してから使ってください。

シート 使う場面 ポイント
注文別リスト 注文ごとに商品を集める 注文番号・明細No・SKU・指示数・実績数を照合
一括集品 同じSKUを複数注文分まとめて取り出す バッチID・SKU・集品総数を記録
注文別仕分け 一括集品した商品を注文別に分ける 注文番号ごとに仕分け実績を記録
整合チェック 一括集品と注文別仕分けの数量を比較 総数と注文別配分のずれを確認

操作時の注意: 指示数・単位・SKUの一致を確認したうえで実績数を入力してください。実績数が空欄の行は「未完了」、指示と違う場合は「要確認」と表示されます。入力されている数量が正しくても、実物の品番・ロットまで自動照合されるわけではありません。

必要な項目と記入例

項目 記入例 必要な理由
注文番号 ORD-001 集めた商品をどの注文に渡すか識別する
明細No 1 同一注文内の明細を追跡する
棚番 A-01-02 保管場所を特定する
SKU・品番 SKU-RED 似た商品・色違いを区別する
商品名 マグカップ 赤 作業者による目視確認を補う
指示数量 2 必要な数量を示す
単位 個 1個と1ケースなどの混同を防ぐ
実績数量 2 実際に取り出した数量を残す
備考 欠品・棚違い等 例外処理を引き継ぐ

数量と単位は一組で扱います。「2」だけでは2個なのか2ケースなのか判断できません。ケース入数の換算が必要なら、商品マスタなど根拠となる別表で管理し、現場の判断だけで数量換算しないようにします。

注文別ピッキングリストの作り方:5手順

1.出荷指示の版と対象注文を確定する

出荷日・対象の注文番号・指示データの更新時刻を確認します。出荷指示が変更された場合は、古い印刷物を回収してください。複数人が別々の版を使うと、正しいリストでも数量不一致が発生します。

2.必要な列を入力する

Excelの「注文別リスト」へ、注文番号・明細No・棚番・SKU・商品名・指示数量・単位を入力します。注文番号だけでSKUや数量をまとめず、明細行を追跡できるようにします。

3.棚番順に並べ替え、印刷して確認する

必要に応じて作業エリアや棚番順に並べ替えます。注文番号と明細Noも一緒に移動させ、一部の列だけを並べ替えないようにしてください。現場では、棚番と数量を読みやすい文字サイズで印刷します。

4.実物を確認し、実績数量を記入する

指示された棚へ行き、SKU・商品名・数量・単位を確認します。取り出した実績を入力または紙に記入します。欠品・商品違い・棚違いの場合は「要確認」として作業を止め、管理者へ連絡します。

5.集品完了と出荷検品を分けて扱う

すべての明細が一致しても、それだけで梱包・出荷を確定しません。別工程で実物、出荷指示、必要に応じて送り状を照合します。原因分析や工程改善の詳細は、既存記事「ピッキングミスを減らす方法」で説明しています。

複数注文をまとめて取り出す場合の使い方

一括集品(トータルピッキング)は、複数注文で共通するSKUをまとめて取り出し、その後で注文別に仕分ける方式です。注文別リストと同じ形にすると、集品総数は合っているのに注文別配分を間違えるリスクを見落とします。

たとえば架空注文で、ORD-001が赤いマグカップ2個、ORD-002が6個必要なら、一括集品の指示総数は8個です。しかし8個集めるだけでは完了ではありません。次に注文別仕分けで2個と6個に分け、それぞれの実績を記入します。

集品と仕分けを二段階で照合する

  1. 「一括集品」でバッチID・SKU・集品指示総数を確定する。
  2. 「注文別仕分け」で注文番号・SKU・仕分け指示数を記録する。
  3. 「整合チェック」で、仕分け指示数の合計と集品指示総数が一致するか確かめる。
  4. 集品実績と仕分け実績も確認する。未完了や要確認があれば、梱包へ進めない。

重要: サンプルに用意した整合チェックは、対象のバッチとSKU・単位を指定して比較するものです。行やSKUを追加した場合は、チェック表にも対応する組み合わせを追加し、式の集計範囲に含まれるか確認してください。無条件で全明細を自動検出する設計ではありません。

現場で間違えやすい5つのポイント

  • 品番違い:商品名が似ていても、SKU・色・サイズを照合する。
  • 単位違い:数量が「1」でも、個・箱・ケース・セットの区別をする。
  • 欠品:実績を指示数に合わせて書き換えない。欠品を記録し出荷可否の判断を仰ぐ。
  • 作業中断:どこまで作業したか記録し、再開時は直前の明細と実物を再確認する。
  • 指示変更:最新の指示版を確認し、旧リストが残らないようにする。

無料Excelは便利ですが、在庫のリアルタイム引当、複数人同時更新時の競合、ロットの自動追跡、バーコードによる現物照合までは備えていません。出荷件数が増えて管理が追いつかない場合は、WMS等の導入を検討してください。

よくある質問

ピッキングリストとパッキングリストは同じですか?

違います。ピッキングリストは倉庫で商品を取り出すための作業指示書です。一方、輸出で使うパッキングリストは梱包内容などを示す書類であり、用途が異なります。

納品書をピッキングリストの代わりに使えますか?

保管場所やSKU、集品数量などが必要十分に載っていれば小規模現場で流用できる場合はあります。ただし納品書には棚番や集品チェック欄がないことが多く、価格など作業に不要な情報が混ざることもあります。専用の帳票を用意した方が分かりやすいでしょう。

ピッキングリストは手書きでも大丈夫ですか?

少量であれば可能です。ただし注文番号やSKUの読み間違い、指示の変更履歴、数量の集計に注意が必要です。Excelで印刷して実績欄だけ手書きする方法もあります。

Excelの判定が「一致」なら、出荷してよいですか?

いいえ。数字上の一致だけであり、実際の商品違い、ロット違い、送り状違いなどを自動的に検出しません。必要な出荷検品を別工程で行ってください。

まとめ

ピッキングリストは、作業者が迷わず集品できるよう棚番・SKU・商品名・指示数量・単位・実績を整理した帳票です。小規模現場ではExcelを使って始められますが、注文別ピッキングと一括集品では必要な帳票が異なります。特に一括集品では、集品総数の一致と注文別仕分けの一致を分けて確認しましょう。

参考・確認先

資料確認日:2026年10月30日。