「パレットにまだ空間があるのに、これ以上積めない」「箱の向きを変えれば出荷数が増えそう」。そんなとき、積載効率を表面占有率だけで判断するのは危険です。箱をパレットへたくさん並べられても、段積み強度・重量・積載高さ・荷崩れ・荷受先の制約を満たさなければ、その荷姿は採用できません。
この記事では11型パレット(1,100×1,100mm)を使い、400×300mmの箱を単純配置で6個/段→混合配置で8個/段とする例を検算します。さらに箱を360×270mmへ見直した「12個/段」の案まで比較し、重量制約を考慮すると、最終的に40箱→48箱/パレット(20%増)となる一連の判断を示します。数値は説明用の架空条件で、パレットや段ボールの安全性を保証する数値ではありません。
先に結論:積載効率の改善は「①現状を測る→②配置を試算→③箱寸法を見直す→④段数・重量・強度で足切り→⑤荷役・輸送で実証→⑥費用と破損率で採否判断」という順番で進めます。積み方とストレッチフィルムの基本だけ知りたい場合は、既存のパレット梱包の方法を参考にしてください。
パレット積載効率は4つの指標を分けて測る
最初の落とし穴は「積載効率」という言葉の混同です。パレット上面に占める箱の割合と、トラックの輸送効率は同じ数値ではありません。
| 指標 | 計算・意味 | 見落とすと何が起きるか |
|---|---|---|
| 平面占有率(%) | 1段分の箱の底面積合計 ÷ パレット天板の基準面積 ×100 | 高くても段積みできるとは限らない |
| 1段当たりのケース数 | 実際の並べ方で入る整数個数 | 面積だけでは箱の向き・端の余白を表せない |
| 1パレットのケース数 | 1段の個数 × 制約を満たす実際の段数 | 高さ・重量・強度で段数が減ることがある |
| 輸送の積載率・積載効率 | 車両の積載重量・容積や実車率を含む運行側の評価 | 1パレットを改善しても車両台数は必ずしも減らない |
国土交通省の物流効率化法FAQでは、制度上の積載効率=積載率×実車率であり、積載率は基本的に積載重量/最大積載重量、貨物によっては容積ベースとしています。本記事で計算する「パレット平面占有率」は、それとは別の現場管理指標です。法令上の目標値へ平面占有率をそのまま代入してはいけません。
制度上の荷主の対応や荷待ち・荷役時間の改善は、物流効率化法の現場対応で確認できます。
また、平面占有率100%を常に目指す必要もありません。実務では安全に採用できた1パレット当たりのケース数、出荷1件当たりのパレット枚数、破損率、荷役時間の組合せで改善を評価します。
改善前に測る寸法と制約条件の一覧
机上計算の精度は、入力する寸法で決まります。箱の設計図にある「内寸」ではなく、封かん後のケース外寸を実測してください。箱の膨らみ・封かん材・角当てなどが積載後の外形を変える場合もあります。
| 分類 | 最低限の確認項目 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 外装ケース | 外寸W×D×H、満載重量、入数、向き指定 | 並び数・段数・荷重を算出するため |
| パレット | 天板寸法と実測差、厚さ、自重、材質・型番 | 使える平面・荷姿総高・総重量を決めるため |
| 支持と強度 | メーカー指定の許容荷重、フォーク差し方向、ラック/平置きの条件 | 同じパレットでも支え方で許容条件が違うため |
| 段積み | ケース圧縮強度・許容段数、倉庫保管期間、湿度・冷蔵冷凍等 | 下段箱の潰れを防ぐため |
| 納品先 | 総高上限、パレット規格、はみ出し可否、荷姿・ラベルの条件 | 積めても荷受けできない場合があるため |
| 輸送・荷役 | 車両・コンテナ・ラックの内法、有効開口、荷役機器の能力 | 完成したユニットロードを実際に動かせるか確認するため |
| 品質・費用 | 現状ケース数、荷崩れ・潰れ件数、資材費、作業時間、運賃算定単位 | 改善後の効果を比較するため |
有効積載面=天板の数字そのものではない場合があります。パレット上に外枠、縁、支柱、敷き材がある場合や、荷受先が端からのクリアランスを求める場合には、使用可能な寸法を別に設定しましょう。パレットの角だけを見て「箱が入る」と判断しないでください。
日本では11型(1,100×1,100mm)の標準化が推奨されますが、国土交通省は業種・商品特性によって別寸法が合理的な場合もあると説明しています。国交省のパレット標準化資料を前提としつつ、採用済みのパレット規格と荷受先条件を優先します。
箱の向き別に1段の積載個数を計算する
まずは箱を同じ向きに揃える単純配置で現状を検算します。パレットの使用可能な縦横をP・Q、ケース外寸の平面をa・bとした場合、同一方向での並び数は次の式で概算できます。
同一方向の個数=INT(P÷a)×INT(Q÷b)
90度回転した個数=INT(P÷b)×INT(Q÷a)
INTは端数を切り捨てる意味です。向きを90度回転させて積めるのは、箱の上下を変えず水平面内で回転させられる場合に限ります。天地無用表示や内容物の向き、ラベルの位置が制約になることがあります。
ただし上の2式では、同じ1段の中で箱の向きを組み合わせる配置を評価できません。交互に向きを変える混合配置、レンガ状配置などは別に検討します。複雑な配置ほど現場作業や箱の支持が難しくなるため、積める個数だけで採用しないことが重要です。
配置の可否を机上で確認するときの基本条件:①すべての箱が指定の積載面内に入る、②平面上で箱同士が重ならない、③認められた向きで置く、④必要なクリアランスと作業性を確保する。この4条件に加え、重量・段積み・固定の実地評価が必要です。
11型パレットで6箱を8箱に増やす計算例
パレットを1,100×1,100mm、箱外寸を400×300mmとする架空の例です。緩衝材やラベルの張り出しはないものとして、まず幾何学的に比較します。
単純配置:6箱/段、平面占有率59.5%
400mm方向に2箱(800mm)、300mm方向に3箱(900mm)を並べると2×3=6箱です。
平面占有率=6×400×300÷(1,100×1,100)×100=約59.5%
混合配置:8箱/段、平面占有率79.3%
左側の800×900mmの領域に400×300mmの箱を2列×3段で6箱。右側の幅300mmの帯に、箱を水平面内で90度回転させて300×400mmを縦に2箱置きます。合わせて8箱です。
平面占有率=8×400×300÷(1,100×1,100)×100=約79.3%
1段の個数は6→8箱で33.3%増。ただし、この配置では右端の箱が理論上パレット端にぴったり一致します(幅800+300=1,100mm)。寸法公差や段ボールの膨らみを吸収する余裕がないため、実際の箱・パレットの寸法測定と荷受先の許容条件を確認するまで「安全に8箱積める」とは判断しません。
| 同じ箱・同じパレット | 1段個数 | 平面占有率 | 実務上の注意 |
|---|---|---|---|
| 単純配置(2列×3行) | 6 | 59.5% | 余白が残る。作業は比較的単純 |
| 向きを組み合わせる混合配置 | 8 | 79.3% | 右端の寸法余裕が0mm。実測・固定・クリアランス確認が必要 |

箱寸法を変えると12箱/段も計算上可能
積み付けパターンだけでなく、箱の外寸自体を見直す方法もあります。例えば、同じ11型パレットでケース外寸を400×300mmから360×270mmに変更できたと仮定します。
360×3=1,080mm、270×4=1,080mmなので、水平面には3列×4行=12箱/段の単純配置が成立します。1,100mmに対してそれぞれ20mmの余裕が残り、中央配置した場合は片側約10mmです。これは設計上の余裕にすぎず、現物の公差・ラップ材・荷受側基準を満たすとは限りません。
平面占有率=12×360×270÷(1,100×1,100)×100=約96.4%
ただし1箱の底面積は120,000mm²→97,200mm²と19%小さくなるため、今までと同じ内容物・入数・緩衝構造を収納できるか確認しなければなりません。箱を小さくして製品の傷みが増える、入数が変わる、箱強度が不足するのであれば「改善」とは言えません。
箱寸法変更時は、製品設計・包装設計・生産・購買・倉庫・輸送・販売の担当者で、次の順に確認します。
- 中身が従来どおり入るか。緩衝クリアランス・仕切り・封かんが成立するか。
- ケース当たり入数・質量が維持されるか。変わるなら商品単位の比較へ換算する。
- 段ボールの材質・フルート方向・罫線・継ぎしろ・圧縮強度を確認する。
- 製函・充填・ラベル位置・バーコード読取・在庫設備・ラックへの影響を確認する。
- 得意先の納品仕様、パレット寸法、積載高さ・はみ出し禁止条件に合うか検証する。
ケース外寸見直しは実務でも使われる手法です。ニチレイロジグループの改善事例では、ピザ商品のケース寸法を見直すことでパレット積載量・保管効率・輸配送効率を改善した取り組みが紹介されています。ただし、この事例の改善率を本記事の仮想計算へ転用したものではありません。

段数と重量制約で出荷可能数は変わる
ここからが、平面配置シミュレーターだけでは判断できない部分です。仮にケース高さ240mm・1ケース12kg・パレット厚さ144mm・パレット自重25kgとし、荷受先のユニットロード総高上限を1,350mm、許容総重量を650kgとします。いずれも説明用に設定した架空の上限値であり、一般的なパレットの定格ではありません。
高さから計算できる段数は INT((1,350−144)÷240)=5段。しかし、重量側でも判定しなければなりません。
| 比較案 | 1段の箱数 | 段数 | 総箱数 | 総重量(箱+パレット) | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| A 400×300・単純配置 | 6 | 5 | 30 | 385kg | 計算上重量内 |
| B 400×300・混合配置 | 8 | 5 | 40 | 505kg | 計算上重量内※端の余裕確認 |
| C 360×270・単純配置 | 12 | 5 | 60 | 745kg | 重量上限650kg超過で不採用 |
| D 360×270・単純配置 | 12 | 4 | 48 | 601kg | 計算上重量内・高さ1,104mm |
この例では、平面占有率が79.3%→96.4%に上がっても、1パレット当たりの出荷可能数は40→48箱(20%増)です。「8箱→12箱だから輸送量は50%増」とはなりません。上限重量によって5段目を積めないためです。
総重量=1ケース重量×1段ケース数×段数+パレット自重+必要な資材重量
上表では比較を分かりやすくするため、追加のフィルム・中間シートなどの資材重量を無視しています。本番ではその重量も加え、さらに段ボールの圧縮強度・重心・フォーク荷役能力・納品先の荷姿制限などを満たして初めて採用可否を判断します。

段ボールの圧縮強度と積み方は別に評価する
1段の箱数が多いほど安全とは限りません。積み付けパターンの変更で、上段箱の底面・角が下段箱のどこへ載るかが変わり、同じ箱でも耐圧特性に差が出ることがあります。
日本包装学会誌の「パレット積付け段ボール箱の圧縮強度解析」(2022年)は、箱の縦稜線(四隅)が荷重を支える点や、パレットからのはみ出しによる強度低下を解析しています。ブロック積みは荷重支持の面で有利でも横ずれには弱くなり得る一方、ピンホール積みなどは段間の一体性を期待できても圧縮強度上は不利になる場合があるというトレードオフを示します。研究の解析条件を、全種類の段ボールや製品にそのまま適用することはできません。
| リスク | 評価する内容 | 現場での確認 |
|---|---|---|
| 下段箱の座屈・箱つぶれ | ケース単体の耐圧試験値と実積み付け時の荷重経路 | 上段の重さ、箱の四隅支持、製品の荷重負担 |
| 横ずれ・荷崩れ | 段のかみ合わせ、摩擦、固定資材、加減速・輸送振動 | 実荷姿の固定・搬送試験 |
| 保管中の変形 | 積み重ね時間、温湿度、含水、荷重の継続 | 実際の保管条件での評価 |
| オーバーハング | 箱の角・底面がパレットで支持される範囲 | 荷姿のはみ出しを原則避け、受入仕様を確認 |
「ブロック積みなら何段まで安全」「レンガ積みにすれば必ず荷崩れしない」といった一律の結論は出せません。圧縮強度の評価と横ずれ・荷崩れの評価は別に必要です。箱の素材変更や段数増加を伴う場合は、包装設計部門や試験機関と協議し、実荷姿での圧縮・振動・搬送などの検証を行います。
なお、パレット本体の許容荷重と段ボール箱の圧縮強度も別物です。ISO 8611-1:2025は新しい平パレットの試験方法、ISO 8611-2:2025は性能要件と試験の選択、ISO 8611-3:2011は既知の積荷に対する最大使用荷重の評価を扱います。ISO 8611-1、ISO 8611-2、ISO 8611-3の公開概要も参考に、製造元の指定荷重と実際の支持状態・使用環境を照合してください。
紙製パレットを採用する場合は、構造・湿気・局所荷重・荷役方法による性能差も確認してください。ダンボールパレットの耐荷重と木製との違いも参考になります。
重心・荷重分散・フォーク荷役まで確認
紙の上の配置が成立しても、実際のユニットロードでは重心位置と荷重の伝わり方が重要です。重いケースが片側や上段に偏ると、荷役時の安定性や、パレット・下段箱への負荷が変わることがあります。
混載で箱の重さが違う場合は、単純な個数配置だけでは不十分です。平面上の重心は、各ケースの重さmと中心位置x・yを使って近似できます。
荷物の重心X=Σ(ケース質量×ケース中心X)÷Σ(ケース質量)
荷物の重心Y=Σ(ケース質量×ケース中心Y)÷Σ(ケース質量)
この計算はケース重心が幾何中心にあるという単純化を含みます。実際には製品重心、パレット自重、荷重分布、3次元的な重心高さを考慮し、重心が中央だから荷役が安全と断定しないでください。
- パレット天板の支持:底板・デッキボードの隙間や局所荷重を確認。箱の四隅が十分に支えられるか。
- ラック保管・床置き:同じパレットでも支持方法や許容条件が変わる。ラック専用の基準を無視しない。
- フォークリフト:完成荷姿の総重量・重心・寸法と、荷役機器の定格能力、荷重中心距離、爪の対応範囲を確認する。
- 納品先:荷受け可能な高さ、差し方向、段積み可否、パレット回収方法を事前に合意する。
- ラベル・作業性:バーコード・ロット表示・数量札が検品時に隠れないか、指定方向で荷役できるかを確認する。
積載率だけを理由に、フォークリフトでの危険な持ち上げ方や傾け方を提案すべきではありません。荷役・ラック・車両での安全は各設備の管理者・運送事業者の基準と作業手順に従ってください。
箱の配置改善と荷崩れ防止は同時に設計
レイアウトを変えると、ストレッチフィルム・角当て・中間シート・バンドの必要位置が変わります。箱を積んだ後で従来どおり巻くだけでは、変更後の荷姿で十分な保持力を得られないことがあります。
基本的には、①箱の角と面を支える配置、②必要な補助材の位置、③商品とパレットの一体化、④輸送時の車両内固定、の順で考えます。ストレッチフィルムによる荷姿固定と、車両内での固縛は別です。パレットに荷物を巻いたからといって、車内でパレットごと滑らない保証にはなりません。
フィルム・バンドの使用量だけ増やして過剰な締め付けを行うと、箱が変形したり、コストが上がったりすることもあります。固定手順と滑り止め材の適否は、既存のパレット梱包記事で詳しく説明しています。
輸出や長距離輸送では、さらに結露・温湿度変化、輸送モード、荷受地での積み替え、木製パレットの規制などが影響します。輸出梱包の基本も参照し、国内短距離の検証結果をそのまま適用しないでください。
採用した荷姿の巻き方を検討するときは、張力・重ね幅・巻き終わりも確認します。手巻きの具体例は、ストレッチフィルムの使い方|ミニ・手巻き・パレットの巻き方と失敗対策で解説しています。変更後の荷姿での保持力の検証は別途必要です。
積載効率改善の費用対効果を計算する
1パレット当たりのケース数が増えても、運賃が同じならすぐに輸送費が減るとは限りません。運賃がケース数・パレット枚数・車建て・重量・容積のどれで決まるかによって、効果が変わります。
先ほどの架空条件で、1回の出荷量が240ケースだった場合を比較します。
| 評価項目 | 従来B案 | 改善D案 | 差 |
|---|---|---|---|
| ケース/パレット | 40 | 48 | +8箱(20%増) |
| 240ケースに必要なパレット枚数 | 240÷40=6枚 | 240÷48=5枚 | 1枚減(16.7%減) |
| パレット単位の荷役回数(各1回と仮定) | 6回 | 5回 | 1回減 |
| 車両台数・運賃 | 契約・積み合せ次第 | 契約・積み合せ次第 | 削減額は別途算定 |
出荷件数が240箱でも、他社荷物と積み合わせるトラックや、荷台のパレット積載位置に変化がなければ、車両台数・運賃は変わらない場合があります。「パレット枚数16.7%削減=運賃16.7%削減」ではありません。
実務では最低限、1ケース当たりの総物流関連費=(パレット費+包装材費+梱包・荷役工賃+保管費+運賃+回収・廃棄費+破損関連費)÷出荷ケース数を同一期間・同一条件で比較しましょう。内容量やケース入数が変わる場合は、1製品当たり費用へ換算し直します。
ケース寸法の変更には、設計・試作・包装試験・調達ロット・旧資材在庫・ラベル変更などの移行費用もあります。例として、旧資材の廃棄費が大きければ短期的に悪化することもあるため、初期費用と継続削減額を分けて採算判定するのが適切です。
積載改善の効果を資材費・工数・物流費・事故損失へ分け、原価改善と現金支出の削減を区別して評価する方法は、梱包コストの計算方法で確認できます。
JPRの無料積み付けツールで候補を検算
11型パレットの平面配置を短時間で調べるなら、JPR(日本パレットレンタル)の無料「11型パレットローディングパターン」が便利です。箱の横幅W・奥行Dを入力すると、パターン番号・積み付け個数・表面占有率が表示されます。
ただし、JPRも「JIS規格の考え方に沿う結果で、最大積載数と異なる場合がある」「結果は保証できない」と注意を記載しています。したがって、これは検討の出発点であって、重量・高さ・段ボール強度・積み付け安定性・輸送実験まで判定する安全認証ツールではありません。
おすすめの使い方は、①現行ケース外寸を入力→②回転や別パターンを比較→③箱寸法変更候補を入力→④採用候補を別表へ保存→⑤本記事の重量・高さ・強度チェックを実施です。シミュレーターの数値に既存の固定方法をそのまま流用しないでください。
現場で進める7段階の改善手順
実務では以下のように進めると、積載個数の比較と現場採用可否を切り分けやすくなります。
- ①現状荷姿を記録:箱外寸・入数・重量・実積載数・総高・箱つぶれ/荷崩れの発生・荷役時間を写真とともに残す。
- ②制約条件を明文化:パレット仕様、箱強度、重量上限、納品先の高さ・はみ出し・差し方向の指定を整理する。
- ③平面配置を比較:同方向2パターン、混合方向配置、必要に応じて箱寸法変更案を計算する。箱が実際に重ならないか確認する。
- ④段数・重量・重心で絞る:机上で不適合な案を除外。箱入数・総重量・資材重量を入れ、総高と支持条件を確認する。
- ⑤試作して実測:実物箱・パレット・緩衝材で積載し、端の余裕、ラベル視認性、フォーク差し、作業性を検証する。
- ⑥包装・搬送試験:必要な段積み強度、荷崩れ、搬送振動、荷役、保管環境の適合を確認。試験条件と不良判定を記録する。
- ⑦採否と標準化:改善前後の費用・破損率・作業時間を同条件で比較し、承認した積み付け図と梱包仕様書へ落とし込む。
検証済みの積み付け図には箱寸法・パレット型番・1段個数・段数・総重量・総高・使用資材・向き・版番号・承認日を記載します。設計変更後に古い積み付け図が残ると、再び事故が起きやすくなるため、現場へ配布する版を管理してください。

パレットの積載効率でよくある疑問
平面占有率100%なら最適ですか?
いいえ。必要な寸法余裕がない場合や、段積み強度・重量・荷崩れ・荷役などの制約に合わなければ不採用です。安全条件を守って出荷できるケース数と総費用で比較してください。
はみ出して積めば効率が上がりませんか?
はみ出しは箱の支持を失うおそれがあり、圧縮強度・荷役・受入条件に悪影響を与えます。オーバーハングを前提とした積載数増加は推奨しません。
箱を交互に積めば荷崩れしなくなりますか?
交互配置は段間の一体性に寄与する場合がありますが、箱の角の支持状態が変わり圧縮強度に不利となる場合もあります。固定方法・段数と合わせて評価してください。
1パレットの積載個数が20%増えたら運賃も20%下がりますか?
一般には言えません。運賃の算定単位、車両に積むパレット枚数、積合せ・納品条件で変わります。出荷単位の必要パレット枚数を計算したうえで運送会社の契約料金で試算します。
11型以外のパレットにも計算式を使えますか?
はい。WとDを採用パレットの有効使用寸法へ変更すれば、単純配置の式は同じです。ただし、パレット製品の支持形状・定格荷重、荷受先の規格条件まで同じとは限りません。
まとめ|面積・箱数・安全・費用で判断する
パレットの積載効率は、平面占有率だけでは判断できません。同じ400×300mmの箱でも配置を混ぜると6→8箱/段に増やせる可能性があります。しかし、箱寸法変更で12箱/段を実現できても、重量制限を超えるため段数を減らさなければならないケースがあります。
改善案は「現物外寸→配置→段数→総重量→耐圧と荷崩れ→荷役・荷受け→総費用」の順に判定し、実荷姿で検証しましょう。JPRの無料ツールは配置案の比較に使い、その後の安全・費用判断を自社の梱包条件に合わせて進めるのが実務的です。
参考にした公式資料・研究
- JPR「11型パレットローディングパターン」:配置個数・表面占有率の比較と免責の確認
- JPR「パレット輸送導入ガイド」:11型標準化・積み付けと実輸送試験
- 国土交通省「パレット標準化推進分科会」:11型の推奨と適用例外
- 国土交通省「物流効率化法FAQ」:積載効率・積載率・実車率の定義
- 日本包装学会誌31巻2号「パレット積付け段ボール箱の圧縮強度解析」:積み付けと箱強度・オーバーハングの関係
- ISO 8611-1:2025、ISO 8611-2:2025、ISO 8611-3:2011:パレットの試験方法・性能要件・使用荷重
- ニチレイロジグループのケースサイズ改善事例:荷姿の可視化と包装設計見直し
調査・計算確認:2026年10月26日。本文の400×300mm、360×270mm、箱重量・高さ、650kgという条件はすべて梱包辞典が設定した架空の計算例です。実際の許容荷重、輸送条件、圧縮強度、荷役機器能力を示すものではありません。記載の規格・制度・サービスは改定される場合があるため、採用時点の公式情報を確認してください。


