パレットの種類一覧|材質・形状・規格の違いと用途別の選び方

パレットの種類一覧 梱包・包装の仕事
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パレットには木製・樹脂製・金属製・紙製があり、同じ材質でも底面の構造やフォークリフトの差込方向が異なります。パレット選びで最初に見るべきなのは、材質だけでなく「荷物の重さ」「荷役設備」「保管方法」「回収できるか」の4点です。

例えば、四方からフォークリフトの爪を差し込めるパレットでも、ハンドリフトに対応するとは限りません。また、床置きで問題なく使えても、ラックの梁2本で支える保管方法には適さない製品があります。

この記事では主に倉庫・製造・出荷現場で使うパレットについて、種類の全体像、構造の違い、代表的な規格、用途別の選定方法を整理します。

パレット選定の早見表

現場の条件 最初に検討したい候補 最後に確認する点
汎用的な国内輸送 T11サイズなどの木製・樹脂製平パレット 納品先の規格と返却条件
繰り返し使用・洗浄が必要 洗浄可能な樹脂製平パレット 耐熱・耐寒性、洗浄方法、回収体制
重量物・特殊形状の機器 荷重に応じて設計した木製・金属製など 支持点・固定・荷役・輸送条件
輸出で返却を想定しない 条件に合うワンウェイの木製・紙製・樹脂製 荷重、湿気、仕向国の規則
ハンドリフトを使う 車輪用の逃げがある単面形・片面使用形など フォーク寸法と底面開口の実測

これは材質だけで適合を保証する表ではありません。必ず製品仕様と受け入れ側の条件を確認してください。

パレットは「材質」「構造」「用途」の3つで分類する

パレットとは、荷物を一つの単位にまとめ、フォークリフトなどで荷役・輸送・保管しやすくする荷役台です。日本パレット協会では、一般的な平パレットのほかにボックスパレット、ポストパレット、シートパレットなども種類として挙げています。

ただし「樹脂製」と「四方差し」は同じ分類ではありません。樹脂製は材質、四方差しは荷役方向です。一枚のパレットを「樹脂製・片面使用形・四方差し・T11サイズ」のように複数の条件で表現します。

分類の軸 代表例 何が分かるか
材質 木製・樹脂製・金属製・紙製 清掃性、重量、湿気への配慮、用途
積載面・底面の構造 単面形・片面使用形・両面使用形 上下の板の有無と、どちらの面に積載できるか
差込方向 二方差し・四方差し フォークリフトなどが入れる方向
形態 平・ボックス・ポスト・シートなど 荷物を載せる方式・囲う方式
運用 ワンウェイ・リターナブル 使い切りか、回収・反復使用か

公式の分類や用語は日本パレット協会「パレットについて」で確認できます。

材質別のパレット4種類と特徴

代表的な材質は木製、樹脂製、金属製、紙製の4種類です。以下は一般的な傾向であり、価格や耐荷重を材質だけで順位付けすることはできません。

材質 特徴 確認したい弱点・条件
木製 寸法・荷物に合わせた加工や修理が比較的しやすく、輸送用途で幅広く使用される ささくれ、釘・割れ、湿気、輸出時の木材こん包材規制
樹脂製 洗浄できる製品が多く、繰り返し使用や寸法の均一性を重視する現場に適する 温度による特性変化、割れ、ラック支持条件、材質ごとの違い
金属製 高い剛性や特殊寸法・重量物への対応が必要な用途で選ばれることがある 自重、腐食、変形、床や荷物への接触、設備との適合
紙製・段ボール製 軽量な設計が可能で、ワンウェイ輸送や廃棄・回収を考える用途の候補となる 吸湿、濡れ、支持位置、面圧・集中荷重、製品別の許容荷重
材質で比べる4種類の平パレット

木製:加工しやすいが、輸出時は植物検疫条件を確認

木製パレットは製作寸法の自由度があり、現場に合った補修や部材交換を検討しやすい素材です。再使用するときは、割れた桁、飛び出した釘、腐朽、汚れなどを点検します。

国際輸送では、未加工の木材こん包材にISPM 15に基づく処理・表示が求められる仕向国があります。木製ならすべて不可という意味ではありません。規制対象の材か、処理表示があるか、仕向国の規則を確認します。合板など国際基準で対象外とされる加工木材もあります。農林水産省・植物防疫所の木材こん包材案内を参考にしてください。

樹脂製:反復使用・清掃性に向くが、温度と形状を確認

樹脂製にはPP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)などがあります。清掃や反復使用を想定した製品が多く、食品・医薬・製造工程で衛生管理が求められる場合の候補になります。

ただし樹脂製なら低温に強いわけではありません。日本プラパレットは、自社製品の案内で、PPは低温で耐衝撃性が下がるため低温倉庫ではPE製を選ぶよう説明しています。冷凍・低温現場では材質名だけでなく、メーカーが定める使用温度範囲を確認してください。

金属製:剛性だけでなく自重・接触・運用を確認

鉄やアルミなどの金属製パレットは、重量物や特別な固定構造が必要な用途で選ばれます。ただし、金属製という理由だけで無制限に積めるわけではありません。パレット自体の自重、荷物を支える位置、床・フォークとの接触や腐食環境を含めて検討します。

紙製:軽量でも許容荷重は設計と支持条件で変わる

段ボールや紙管などで構成する紙製パレットは、軽量化やワンウェイ輸送を考えるときの選択肢です。「紙だから重い荷物には使えない」と一律に決めつけるのは正確ではありません。荷重を支える部材の形状や配置によって性能は変わります。

特に湿気・雨濡れ、局所的に重い荷物、フォークでの支え方を確認してください。紙製の構造や木製との比較は、ダンボールパレットとは?耐荷重・木製との違いで詳しく解説しています。

形状・構造による違い|単面・片面・両面、二方差し・四方差し

単面形・片面使用形・両面使用形

平パレットの構造では、上下面に板があるかと、どちらの面へ荷物を載せられるかを区別します。

形式 構造 使い方の判断
単面形(S) 荷を載せる上面の板があり、下面のデッキ板がない。スキッド型など 低床形状やハンドリフト運用の候補。ただし曲げ強度や段積み適性は個別確認
片面使用形(D) 上下にデッキ板があり、荷物を載せる面は上側だけ 底面の開口や桁によって荷役機器との適合が分かれる
両面使用形(R) 上下にデッキ板があり、両側を積載面として使える 裏返し利用や段積みに向く設計もあるが、一般的なハンドリフトは使えない製品がある

この分類は日本プラパレットの製品カタログなどでもS・D・Rとして示されています。メーカー製品の形状分類で実際の製品形状を確認できます。

二方差し・四方差し

二方差しは相対する2方向から、四方差しは前後左右4方向からフォークリフトの爪を差し込める構造を指します。例えば「D4」は、片面使用形(D)で四方差し(4)という組み合わせです。

ここで注意したいのが「四方差し=ハンドリフトも四方向から使える」ではないということ。ハンドリフトはフォーク先端の車輪が床へ下りるため、底板・桁・開口部と干渉することがあります。導入時はフォークの最低高さ・幅・長さ、車輪の位置とパレット底面を照合してください。

パレットの底面構造と差込方向

平パレット以外の種類もある

「パレット」と聞いて平たい荷役台を想像しがちですが、運ぶものに合わせて形態自体が異なるものもあります。

種類 主な特徴と使いどころ
平パレット 箱物・袋物などをまとめて積載する基本形
ボックスパレット 側壁で荷物を囲い、ばら物・部品などを保持する
ロールボックスパレット キャスターと側枠がある、店舗配送などの「カゴ車」型
ポストパレット 柱などの支柱があり、荷物を囲ったり段積みを補助したりする
シートパレット 薄いシートに荷物を載せ、対応するプッシュプル装置などで荷役する

なお、ボックスパレットやシートパレットは、平パレットと使用する設備・運用が違います。既存のフォークリフトにそのまま置き換えられるとは限りません。

パレットのサイズ|T11・T12と代表的な寸法

国内でよく扱われる代表的な平パレットのサイズは、T11型の1100×1100mmです。T12型は1200×1000mmで、長方形のため箱の並べ方や差込方向の検討が必要です。

名称・代表寸法 長さ×幅 確認したいこと
T11型 1100×1100mm 正方形。国内の一貫輸送や共同利用の規格として広く用いられる
T12型 1200×1000mm 長方形。製品の並べ方・車両・倉庫側の寸法と整合させる
その他のJIS規格寸法例 1200×800mm、1100×900mm、1300×1100mm、1400×1100mmなど 業界・設備・納品先の指定を確認する

日本パレット協会は、材質別の平パレット規格で共通する寸法として7種類を示しています。1100×1100mmであれば、高さも耐荷重も全製品で同じという意味ではありません。JIS Z 0601の一貫輸送用T11パレットには1100×1100×144mmという規格がある一方、一般市場には高さや構造の異なる製品もあります。

また、パレットに積む箱の面積だけでなく、荷姿全体の高さ、製品のはみ出し、トラック・ラックの有効寸法も重要です。積載面を有効に使う考え方はパレット積載効率の改善方法にまとめています。

用途別に選ぶ|国内輸送・輸出・保管・回収

国内の共同輸送は、納品先の規格から逆算する

自社に置きやすいパレットを選んでも、納品先で受け入れられなければ積み替えが増えます。先に取引先の寸法、材質、差込方向、パレットの返却ルールを確認しましょう。

繰り返し使う場合は、購入単価だけでなく、回収費用、紛失・破損、保管場所、洗浄、レンタルの選択肢を比較します。日本パレット協会では、使い切りを「ワンウェイ」、反復使用を「リターナブル」と区分しています。同協会の説明を基に運用方法を確認できます。

輸出は、パレット単価だけでなく規制・重量・返却の有無を確認

輸出のワンウェイ用途では、軽量性を重視した紙製や樹脂製、仕向国の条件を満たす木製などが候補です。ただし輸送が長く、結露や保管中の湿気、荷物の重心、フォークでの荷役があるため、材質だけで判断しないことが重要です。

木製の場合、植物防疫所の木材こん包材規制と仕向国条件を確認します。紙製や樹脂製なら輸出時の全規制が免除される、という意味ではありません。積載貨物や輸送ルートに適した荷姿が必要です。

ラック保管・自動倉庫では、支持条件を先に確認

床の全面で支えるのか、ラックの梁2本で支えるのかによって、パレットの曲がり方は違います。樹脂パレットメーカーも、ラックでの使用可否について積載荷重・荷物の形・梁の間隔(支持スパン)・使用温度・保管時間を確認するよう案内しています。

「静荷重が大きい」ことだけでラックに載せてよいとは判断できません。ラック積載に使える型番か、許容荷重と支持方法をメーカー・設備管理者に確認してください。

荷崩れしやすい荷物は、パレットの種類だけで解決しない

袋物・高さのある箱・不均等な形の製品では、適切な荷重分散と固定も必要です。パレットの材質を変えるだけで輸送中の荷崩れがなくなるわけではありません。積み方・角当て・ストレッチフィルムの使い方はパレット梱包の方法を参照してください。

導入前に確認する5項目|現場で失敗しない選定手順

候補を比較する際は、次の順に条件をそろえると、材質の好みや価格だけで選ぶ失敗を減らせます。

  1. 積むもの:製品の寸法・総重量・重心・接地面を確認。箱物か、袋物か、機械か、荷重が集中する脚付き製品かを分ける。
  2. 使う設備:フォークリフトの種類、ハンドリフトの最低位・車輪位置、AGV・コンベヤーの有無、差込方向を確認。
  3. 保管条件:床置き、段積み、ラック梁支持、自動倉庫を区別。温度、湿気、保管時間も把握する。
  4. 受け入れ側:納品先のサイズ指定、返却・レンタルの条件、積み替えの有無を確認。
  5. 製品仕様書で最終判断:動荷重、静荷重、ラック対応、パレット自重、使用温度、使用上の禁止事項を照合する。

動荷重は一般に、パレットを扱うときの積載可能重量を示す指標として使われます。静荷重は停止時・段積み時の荷重条件ですが、メーカーごとに試験・表示の前提が異なるため、必ず仕様書の定義を確認してください。ラック保管時の許容荷重は、別途確認が必要です。日本プラパレットの動荷重・静荷重の説明も参考になります。

例えば「ハンドリフトで毎日移動し、ラックにも置く」という現場では、単に四方差しの樹脂製を選ぶだけでは不十分です。ハンドリフトの車輪が下りる底面形状とラック梁の支持条件を両方満たす製品に絞ってから、サイズ・材質・価格を比較します。

パレット選びは、荷物→設備→保管→納品先→製品仕様書の順で確認するのが基本です。材質やサイズの一覧は候補を探す入口として使い、最終的には使用条件に適合する型番を選んでください。

主な参考資料(2026年11月2日確認):日本パレット協会「パレットについて」、同協会「よくあるご質問(JIS・寸法)」、日本プラパレット「よくあるご質問(荷重・低温・ラック)」、同社製品分類、植物防疫所「木材こん包材の輸出入」。JISの番号は協会の公開資料に基づき、個別パレットの適合・許容荷重を保証するものではありません。