リチウムイオン電池入り機器の発送|送れる条件と安全な梱包方法

リチウムイオン電池入り機器の発送と梱包 発送の知識
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「スマホやノートパソコンは、そのまま宅配便で送っていい?」「リチウムイオン電池が入っていると飛行機に載せられない?」と迷うことがあります。

リチウムイオン電池を使う機器は、正常な電池を適切に梱包し、配送会社の条件を満たせば国内発送できる場合が多い一方、電池の状態・機器への組み込み方・配送区間によって航空輸送の扱いが変わります。

特に注意したいのは、「100Wh以下なら何でも送れる」「充電率は必ず30%以下」「モバイルバッテリーは国内発送できない」と一律に考えないことです。これらは輸送形態や配送会社ごとに条件が異なります。

先に結論|発送前に見るのは4点

  • 電池の状態:膨張・破損・異常発熱・異臭がないか
  • 電池の形態:機器に内蔵/機器と別に同梱/電池単体のどれか
  • 電池の仕様:必要に応じてWh(ワット時定格値)を確認
  • 配送方法:ゆうパック・宅急便・航空便など、利用するサービスの最新条件を確認

この記事では、国内発送を中心に、2026年10月1日時点の日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便の案内をもとに整理します。

  1. リチウムイオン電池入りの機器は発送できる?
  2. リチウムイオン電池を含む可能性がある機器一覧
  3. 発送前に確認する4つのポイント
    1. 1.電池が正常な状態か確認する
    2. 2.「内蔵」「同梱」「電池単体」を分ける
    3. 3.必要ならWhを確認する
    4. 4.配送会社と届け先を確認する
  4. 日本郵便|航空輸送できるのは国内ではゆうパックのみ
    1. ゆうパックで航空輸送する主な条件
  5. ヤマト運輸|個人のリチウム電池入り荷物は航空輸送しない
  6. 佐川急便|航空便では電池の入れ方を確認する
  7. 安全に発送するための梱包手順
    1. 1.電池の異常がないか確認する
    2. 2.機器の電源を完全に切る
    3. 3.予備バッテリーは端子を短絡させない
    4. 4.本体を水濡れと衝撃から守る
    5. 5.丈夫な箱へ入れて動きを止める
    6. 6.送り状の品名を具体的に書く
  8. 膨張・破損したバッテリーは普通に発送しない
  9. 「30%以下」はすべての発送に共通ではない
  10. 海外発送は国内と同じ条件ではない
  11. 発送前チェックリスト
  12. リチウムイオン電池の発送でよくある質問
    1. スマホはバッテリーを入れたまま送れますか?
    2. 充電を30%以下にしないと送れませんか?
    3. 100Wh以下なら必ず送れますか?
    4. モバイルバッテリーは国内発送できますか?
    5. レターパックやゆうパケットで送れますか?
    6. 膨らんだスマホやモバイルバッテリーを送れますか?
  13. まとめ

リチウムイオン電池入りの機器は発送できる?

電池の状態・入れ方 発送時の考え方
機器に内蔵・組み込み 正常な電池で、配送会社の条件を満たせば発送できる場合が多い
機器と電池を別々に同梱 端子保護や個数制限に加え、航空輸送では充電率など追加条件がある
電池単体・モバイルバッテリー 国内で引受可能な場合はあるが、航空輸送できないケースが多い
膨張・破損・故障した電池 通常の荷物として発送せず、メーカー・販売店・配送会社等へ確認する
「発送できる」と「航空機に載せられる」は別です。
国内では引き受けられる荷物でも、航空輸送できず陸上・海上輸送へ切り替わることがあります。沖縄や遠距離区間では到着が遅れる場合があります。
リチウムイオン電池の発送条件比較図

リチウムイオン電池を含む可能性がある機器一覧

同じ種類の機器でも、製品や型番によって電池の有無・種類・容量は異なります。本体表示、取扱説明書、メーカー仕様で「リチウムイオン」「リチウムポリマー」「Li-ion」「Li-Po」などの表示を確認してください。

機器確認ポイント
スマートフォン多くは本体内蔵。膨張や画面浮きも確認する
ノートパソコン内蔵式・着脱式がある。型番ごとの仕様を確認する
デジタルカメラ着脱式が多く、予備バッテリーを同梱する場合は条件が変わる
ゲーム機携帯型本体やコントローラーに充電池を内蔵する機種がある
iPad・タブレット多くは本体内蔵。電源OFFと本体の変形確認も行う
ロボット掃除機比較的大きな充電池を搭載する製品がある
ワイヤレスイヤホンイヤホン本体と充電ケースの両方に電池を持つ製品がある
ペンライト乾電池式と充電式がある。内蔵式は自己判断で分解しない
ヘアアイロンコードレス・充電式はリチウムイオン電池を内蔵する製品がある。自己判断で分解せず、型番・取扱説明書で電池仕様を確認する
DVDプレーヤーポータブル型はリチウムイオン電池を内蔵する製品がある。据え置き型と分けて確認する
精密機器製品ごとに電池の有無・種類が異なる
モバイルバッテリー輸送上は「電池単体」として扱われる
スマートウォッチ小型でもリチウムイオン電池を内蔵する製品が多い
ハンディファン・充電式カイロ充電式ならリチウムイオン電池の有無を確認する
Bluetoothスピーカーコードレス型では内蔵電池を使う製品がある
コードレス美容家電・電動工具着脱式または内蔵式バッテリーを使う製品がある

Bluetoothスピーカーを発送する場合は、電池の輸送条件に加えて、本体の振動板・グリル・端子などの保護も必要です。外装の作り方は「スピーカーの梱包方法」を参考にしてください。

「充電して使う機器=必ずリチウムイオン電池」とは限りません。ニッケル水素電池など別の二次電池を使う製品もあるため、機器名だけで判断しないでください。

発送前に確認する4つのポイント

1.電池が正常な状態か確認する

最初に確認するのは容量より状態です。消費者庁やNITEは、リチウムイオン電池に強い衝撃・圧力を加えると発熱・発火につながるおそれがあると注意喚起しています。

次のような異常がある場合は、通常の発送を進めず、メーカー・販売店などへ相談してください。

  • バッテリーが膨らんでいる、機器が変形している
  • 異常に熱くなる
  • 焦げたにおい、化学薬品のようなにおいがする
  • 液漏れ、発煙、異音がある
  • 落下や衝撃でバッテリー部分が変形・破損した
  • 充電できない、急に電源が切れるなど明らかな異常がある

2.「内蔵」「同梱」「電池単体」を分ける

輸送条件では、電池が機器に組み込まれているか、機器と別の状態で同じ荷物へ入っているか、電池だけなのかが重要です。

たとえば、スマートフォンに内蔵された電池と、カメラ本体とは別に入れた予備バッテリーでは、航空輸送の条件が同じとは限りません。

取り外せる電池でも、発送のためだけに必ず外す必要はありません。
取り外して別に同梱すると、輸送区分が変わる場合があります。メーカーが着脱を前提としていない内蔵電池は、自己判断で分解しないでください。

3.必要ならWhを確認する

航空輸送条件を確認するときは、リチウムイオン電池のWh(ワット時定格値)が基準になります。

本体やバッテリーにWhが書かれていれば、その数値を確認します。電圧Vと容量mAhしか分からない場合は、次の式で計算できます。

Wh = V × Ah

mAh表記なら、Wh = V × mAh ÷ 1000

例:3.7V × 6000mAh ÷ 1000 = 22.2Wh

数値が分からない場合は、メーカー仕様や取扱説明書で確認します。自己判断で容量を推測しないでください。

100Wh以下だから、どの発送方法でも必ず送れるわけではありません。
100Whや20Whは主に航空輸送条件を確認するときの基準です。国内引受けの可否、電池の状態、梱包、配送会社独自の条件も別に確認します。
Whの確認方法

4.配送会社と届け先を確認する

同じスマートフォンでも、近距離の陸送と、沖縄など航空輸送が関係する区間では扱いが変わることがあります。利用するサービスと届け先を決めてから、その配送会社の最新条件を確認します。

日本郵便|航空輸送できるのは国内ではゆうパックのみ

日本郵便は、国内でリチウム電池を航空輸送できるサービスは、条件を満たしたゆうパックのみと案内しています。

郵便物、レターパック、ゆうメール、ゆうパケットなどでは、リチウム電池等を航空輸送できません。航空搭載が必要な地域宛てで条件を満たさない、または条件を満たしているか確認できない場合は、航空機以外で輸送され、1日~4日程度遅れることがあります。

ゆうパックで航空輸送する主な条件

項目 リチウムイオン電池の主な条件
単電池(セル) 1個あたり20Wh以下
組電池(バッテリー) 1組あたり100Wh以下
電池重量 1梱包あたり5kg以内
機器と電池を別に同梱 予備電池は2セットまで
充電率 2025年12月31日以降、機器と別に同梱するリチウムイオン電池を航空輸送する場合は30%以下
電池単体 モバイルバッテリーなどは航空輸送不可

航空輸送する場合は、頑丈な外装、電池同士の接触・短絡防止、機器の移動防止、不意の作動防止などの包装条件があり、リチウム電池マークの表示が必要になる場合があります。実際に航空輸送を希望する場合は、日本郵便の最新フロー図・別紙に沿って確認してください。

一方、モバイルバッテリーは国内での引受け自体が一律禁止ではありません。日本郵便はモバイルバッテリーを「リチウム電池単体」とみなし、国内で引き受ける場合でも航空搭載はできないと案内しています。

ヤマト運輸|個人のリチウム電池入り荷物は航空輸送しない

ヤマト運輸では、リチウムイオン電池を内蔵した製品・機器について、宅急便の規格内で、ダンボールなど輸送に適した梱包を行い、送り状へ具体的な品名を記載するなどの基本基準を満たせば発送できます。

ただし、電池部分が壊れている、または故障したバッテリーを内蔵する製品は取り扱えません。

また現在、ヤマト運輸は個人客から預かったリチウム電池を含む荷物を航空機輸送しないと案内しています。航空区間に該当する荷物は陸海上輸送となり、区間によって1日~7日程度遅れる場合があります。

個人発送でのポイント

ヤマト宅急便では「100Wh以下か」だけを見て発送方法を決めるのではなく、まず正常な機器を適切に梱包し、具体的な品名を伝票へ記載します。航空輸送が必要な区間では、個人のリチウム電池入り荷物は陸海上輸送になることを見込んでください。

佐川急便|航空便では電池の入れ方を確認する

佐川急便の飛脚航空便では、リチウムイオン電池が含まれる製品について航空輸送の条件を案内しています。

  • バッテリーを機器と別に同梱:航空便では充電率30%以下が必要
  • バッテリーを機器に組み込み:佐川の案内では上記30%規制の対象外
  • 梱包:電池へ圧力・衝撃がかからない強度のある外装が必要

航空便を利用するか、通常の陸送になるかでも条件が変わるため、発送前に営業所や最新の公式案内で確認してください。

安全に発送するための梱包手順

リチウム電池入り機器の安全な梱包手順

1.電池の異常がないか確認する

膨張・変形・異臭・異常発熱・液漏れ・衝撃による破損がないか確認します。異常があれば梱包を進めません。

2.機器の電源を完全に切る

スマートフォン、パソコン、カメラなどは電源をOFFにします。スリープ状態ではなく、通常の操作で完全に終了させます。

輸送中に電源ボタンが押されないよう、本体の周囲を緩衝材で保護します。

3.予備バッテリーは端子を短絡させない

メーカーが取り外しを前提としている予備バッテリーを同梱する場合は、金属部分同士が触れないよう端子を保護し、1個ずつ袋や内装容器へ入れます。

鍵・硬貨・ケーブル端子など導電性の物と裸の端子を接触させないようにしてください。

4.本体を水濡れと衝撃から守る

正常な機器は、必要に応じて袋で水濡れ対策をしたうえで、プチプチなどの緩衝材で全体を保護します。

液晶、カメラレンズ、端子、スイッチ、ヒンジなど、外圧に弱い部分へ硬い付属品が直接当たらないようにします。

5.丈夫な箱へ入れて動きを止める

外装は、機器へ強い圧力や衝撃が直接伝わりにくいダンボールを基本にします。箱底・側面・上部へ必要な緩衝材を入れ、箱を軽く動かしても中身が大きく動かない状態にします。

「送料を小さくしたいから」と機器を薄い封筒へ無理に押し込んだり、緩衝材を省いたりしないでください。

6.送り状の品名を具体的に書く

送り状へ「雑貨」「電子機器」だけと書くと、電池の有無や航空搭載可否を判断しにくくなります。

たとえば次のように、具体的な機器名+リチウムイオン電池の状態が分かる書き方にします。

  • スマートフォン(リチウムイオン電池内蔵)
  • ノートパソコン(リチウムイオン電池内蔵)
  • デジタルカメラ(リチウムイオン電池内蔵)
  • カメラ用予備バッテリー同梱
  • モバイルバッテリー

品名欄の書き方は「送り状の品名の書き方|「雑貨」はNG?具体的な記入例一覧」でも詳しく解説しています。

膨張・破損したバッテリーは普通に発送しない

リチウムイオン電池が膨らんでいる、外装が割れている、異常に熱い、異臭がするなどの状態では、通常の梱包手順へ進まないでください。

NITEは、膨らんだ電池内部には可燃性ガスがたまっている場合があり、強い外力を加えると発火するおそれがあると注意喚起しています。ヤマト運輸も、壊れた・故障したバッテリーを内蔵する製品は取り扱えないとしています。

膨らんだスマホを「プチプチで厚く巻けば送れる」と考えないでください。
まず使用・充電を中止し、メーカーや販売店の修理・回収方法を確認します。処分・回収方法は自治体や製品によっても異なります。

「30%以下」はすべての発送に共通ではない

2026年現在、リチウムイオン電池の「充電率30%以下」という条件を見かけることが増えていますが、国内のあらゆる発送で一律必須になったわけではありません。

日本郵便では、2025年12月31日以降、リチウムイオン電池を機器と別の状態で同梱して航空輸送する場合に30%以下が必要です。佐川急便も、飛脚航空便でバッテリーを機器と別に同梱する場合は30%以下と案内しています。

一方、機器に組み込まれた電池の扱いや、航空輸送を行わない荷物では条件が異なります。電池残量だけを見て自己判断せず、利用するサービスの条件を確認してください。

海外発送は国内と同じ条件ではない

海外へ送る場合は、国内配送の条件をそのまま当てはめられません。

たとえば日本郵便の国際郵便では、リチウム電池の輸送形態・国や地域・サービスによって条件があり、モバイルバッテリーのようなリチウム電池単体は国際郵便で送れません。

海外発送では、発送先の国・地域の禁制品や利用サービスの最新条件まで確認してください。

発送前チェックリスト

  • リチウムイオン電池を使う製品か確認した
  • 膨張・変形・異常発熱・異臭・破損がない
  • 電池が内蔵・同梱・単体のどれか確認した
  • 必要な場合はWhを確認した
  • 機器の電源を完全にOFFにした
  • 予備電池は端子を保護し、個別に収納した
  • 本体を水濡れ・衝撃から保護した
  • 丈夫な外箱の中で機器が動かない
  • 送り状へ具体的な品名を記載した
  • 利用する配送会社と届け先に応じた最新条件を確認した

リチウムイオン電池の発送でよくある質問

スマホはバッテリーを入れたまま送れますか?

正常なバッテリーを本体に内蔵したスマートフォンは、配送会社の条件を満たせば国内発送できる場合があります。発送のためだけに分解して電池を外さず、電源OFF・本体保護・具体的な品名記載を行います。

充電を30%以下にしないと送れませんか?

一律ではありません。30%以下が必要になる代表例は、リチウムイオン電池を機器と別に同梱して航空輸送する場合です。配送会社・輸送形態によって条件が異なります。

100Wh以下なら必ず送れますか?

いいえ。100Whは航空輸送条件で使われる代表的な基準ですが、電池の状態、梱包、輸送形態、配送会社の条件も確認する必要があります。

モバイルバッテリーは国内発送できますか?

配送会社とサービスによります。日本郵便では国内引受けの対象ですが、リチウム電池単体とみなされ航空搭載できません。ヤマト運輸でも電池単体は航空搭載できません。届け先によっては陸海上輸送となり、到着が遅れる場合があります。

レターパックやゆうパケットで送れますか?

日本郵便では、リチウム電池等を航空輸送できる国内サービスは条件を満たしたゆうパックのみです。レターパック・ゆうパケット等では航空輸送されません。内容品そのものの引受条件と、届け先までの輸送方法を分けて確認してください。

膨らんだスマホやモバイルバッテリーを送れますか?

通常の荷物として発送する前に、メーカー・販売店・配送会社等へ確認してください。膨張は電池異常のサインであり、衝撃や圧力によって発火するおそれがあります。

まとめ

リチウムイオン電池を含む機器を発送するときは、電池の状態 → 内蔵・同梱・単体の区分 → 必要ならWh → 配送会社と輸送区間の順で確認すると判断しやすくなります。

正常なスマートフォン・パソコン・カメラなどは国内発送できる場合が多い一方、モバイルバッテリーのような電池単体、予備バッテリーの同梱、航空輸送では条件が変わります。

また、膨張・破損・異常発熱などがある電池は、梱包を工夫して通常発送する対象ではありません。安全を優先し、メーカーや配送会社の案内を確認してください。

参考:日本郵便「リチウム電池をゆうパックで送る際の注意点」、日本郵便「航空危険物等品名検索」、ヤマト運輸「リチウムイオン電池を内蔵している製品・機器は、送れますか?」、佐川急便「飛脚航空便」、消費者庁「リチウムイオン電池使用製品による発火事故に注意」、NITE「リチウムイオン電池搭載製品の事故」(2026年10月1日確認)